♫ようこそ小田原へ ♫お城だけじゃない魅力を
2019年1 月神静民報「小動だより」
目次
軽トラ市にレッツゴー
早雲公没後 五百年となる2019年、今年も楽しいイベントに期待して新年早々胸が躍ってしまう。小田原に引っ越して約2年。様々なイベントに足を運ぶたび、この土地の人たちは自分たちの暮らしを自分たちで豊かにできるすべを知っているのだろうなと、ちょっと小田原っ子を羨ましく思う。まだまだ2年だが、私なりの小田原愛も日に日に増してきているのは確か。特に友人を小田原に招きたい願望が強いようだ。今までは、我が家に招くだけに留まっていたが、せっかくのイベント、東京に住む友人を招いてみた。地域外の人がどれだけお買い物をして帰ってくれるかの調査もかねて。
少し話は脱線するが、地域内で経済を回すのはとても大切なこと。でも、貨幣を使って回すわけだから、そこには税金が発生して、回していくと目減りしていく。だから、移出を増やすのはもちろんのこと、外の人にここ西湘でお金をどんどん使って欲しい。藩札のように貨幣を発行することはできませんからね。話を戻して、友人を誘ったのは、昨年2018年11月25日に開催された「まちなか軽トラ市」だ。
ど・ストライク!軽トラ市×オーガニック女子
「軽トラ市」といえば、小田原市民にとっては軽トラックの荷台を店舗に見立てた市ということはわかりきったものと思って、説明もなく誘ったのだが、二人のアラフォー女子は何のことかわからず小田原駅に到着。気持ちよい秋晴れの日なのに、観光もせず、いきなり軽トラ市へ連れ出すと、「え~、軽トラ市ってマルシェのことだったんですね~!」、「軽トラを見に行くってなんのことかと思いましたぁ」といいながら物色開始。みかんに柿、キウイフルーツ、レモン。東京だと国産のレモン、キウイフルーツに出会うことはまず少ない。さらには農薬を使っていないものが並んでいる。もう二人のテンションは上がりまくり。誘った友人は二人ともちょっとこだわりのあるオーガニック女子。オーガニックや低農薬の野菜の宅配をはじめNatural Houseなどで食べ物を調達している。調味料や化粧品にいたるまで、ちょっと口うるさい。そんなオーガニック女子の心をつかんで離さないお店たち。次に目に留まったのは、むかごや大きなネットに入った銀杏。もちろん、購入だ。私も朝ドレファーミで初めてむかごを発見したとき、日本料理店で上品に出されたむかごご飯が脳裏によぎり、「えっ、こんな普通に売っているの?さらにこんなに安いの?」とびっくりしたものだ。それにしてもこの二人、財布の紐が緩みっぱなしだ。そんなに買ってくれるの?と、こちらが心配になってしまう。銀座通り交差点手前、最終地点のなんくる農園。野菜を手に取り、「こんなにたくさん持って帰れるかなぁ」と、迷いながらも農薬不使用の野菜を何種類か買う。結局、お米、野菜、果物、天然酵母のパン、お酒、魚と肉の加工品を軽トラ市で購入した。帰りには鈴廣のかまぼこやちん里うの梅のお菓子も。我が家で食事中に一人が、「交通費かかっても安いくらいじゃない?」。いやいやそれは計算間違ってますから。
LINEのやりとりを見ていただきたい。「カートで行きます」って、いいものをゲットしたい本気度が半端ない。「たまになら行きたい」って、「たまに」は正直すぎる感想(苦笑)……。でもそれでいい!一回訪れて二度といかないの観光地がほとんどですから。一年に一回でも二回でもリピートしてくれるのは嬉しいものだ。一日といわず、二日、三日滞在して、美味しいごはんを食べて、今回のように欲しいものを買ってくれたら、こちらもサイコーと言いたい。
まさかこんなに感動してくれるとは思わなかった。それだけ感動を与えられる資源がこの小田原にあるということも改めて再認識した。軽トラ市に限らず、強みを活かし、ターゲットを明確にして集客することで、地元以外の人も呼び込め、リピート性のある来訪となる可能性を感じた一日であった。ちなみに、オーガニック女子の一人は買ったものをすべて持ち帰れず、三日後、仕事ついでに東京までお米をお届けした。
彼女たちの感想(感動?)をまとめると、
- 軽トラ市は
・コンパクトにまとまっていて、オーガニック好きにはとても効率のいいマルシェ。
・安心して買い物ができた。また行きたい、サイコー! - 小田原は
・山も海もあり良いところでしたー。
・ちょっと足を伸ばせば行ける距離だから、また癒されに行きたいですー。
週末ときどき小田原暮らし
小田原城のぼって、周遊バスで回って、だるまでお食事。「小田原、いったことある~、いいところだったよ」以上!で終わらない、リピートしてもらう方法はないものか……。
例えば、こんな提案はどうだろう?毎日満員電車で通勤し、休日の一日を寝て過ごす。そんな都心のオフィスで働く人達に、金曜日から小田原入りしてもらって、金曜テレワーク、土日は地元開催のイベントに参加したりまち歩きを楽しんだり。テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと。
オフィスワークは高度化し、時間を費やしただけ結果がついてくるものではない。アイデアは日常のふとした瞬間に生まれたりするので、机上や会議室で出てこないアイデアが、場所を変えることで、ふとでてくることもある。こんな「旅をセットにしたテレワーク」の可能性を探るため、都内に住み、都心で働く人に、実際に小田原に来てもらったあとに聞いてみた。
「テレワークというと、家かサテライトオフィスの二つを考えがちですが、小旅行の地のコワーキングスペースを使うという第三の選択肢があることに改めて気づきました。小田原に伺った日が、天気がよく気持ちいい日だったこともありますが、ちょっと足をのばして気持ちもリフレッシュして働ける可能性を感じました。」と語るのは、東宝株式会社人事統括室長の松浦容子さん。「まだまだ紙文化ですし、すぐに実現ということは難しいですが、考えてみたら、出張のときはパソコン一つで仕事の対応をしていることも事実。第三のテレワークも遠い将来の話ではないかもしれない。」とも。金曜日をテレワークにあてる、二泊三日の旅。東京から新幹線で約30分、気軽に足を運べる小田原でこそ実現できる新しいスタイルである。旅行というより、「週末ときどき小田原暮らし」、まさに住まうように旅するスタイルだ。「週末ときどき小田原暮らし」×「働き方の多様化」について、次月の「小動だより」でさらに深堀りします。(文/平澤芳栄)
【この記事について】新型コロナウィルスが出現する前、大いに接触ができたころの記事で、秋晴れの空、出店の数々、空気感とかすごく懐かしいです。(2022年1月記)