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熱いぜ!小田原移住

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2020年7月神静民報「小動だより」

 

「住みよさランキング」全国376位 さえないぞ!小田原

 「都市データパック2020」を血迷って買ってしまった。高い買い物で届いたときには後悔しまくったが、ちょっとハマってしまった。市区町村の気候やら将来の人口予測、所得やら空き家率など、こういったデータを見だすとなかなか楽しいものだ。
 各指標でランキングする意味はよくわからないが、ランキング化されて偏差値まででると、地味なデータの集まりはキャッチ―になる。
 小田原市は、「住みよさランキング」で総合376位。なんだかさえない結果だ。「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」の4つの視点から、22のデータを用いて算出。それぞれのランキングもでている。3年前まで住んでいた江東区が総合47位。私からしたら、どちらにもいい面があり物足りない面もあり、「ふーん、そうなんだ」としか言いようがない。10位までに石川県が3市、富山県と福井県が各2市と北陸の市が上位を占めていたり、鳥取県の4市全部が100位以内といわれても、なんだかピンとこない。「住みやすさ」の尺度は、多少はパターン化されるものの多様化しているからなのか。さらに明確な数値尺度で選ぶ人もほぼいないのだと思う。ということで、これ以上の思考は面倒なので分厚い本を閉じた。
 ただ、気になるのは人口であった。以前住んでいた江東区の2045年の将来推計人口は、現在より多く、約58万人、一方、小田原市は14万6千人だ。今が約19万人だからかなりの減だ。

都市データパック2020(東洋経済新報社)

 

密の回避でちょっと状況が変わった?

 しかしこのデータは、まだ新型コロナウィルスが出る前のデータだ。ウィズコロナ時代、にわかに地方移住が熱くなってきている肌感はある。市役所の移住担当の方との雑談でも、問い合わせは昨年同月比2倍以上だとか。
 ここ数か月オフィス不要論など盛んに言われた。しかしながら時間の経過とともに「場の価値ってやっぱりある。オフィスはその点で必要だよね」的な会話も増えてきた。それに雑談はオンラインではどうしても難しい。Slackに雑談チャットとかつくっても、なんか不自然で意図的。「偶発的な雑談」はビジネスに必要だということも改めてわかったことだ。なにはともあれ、東京一極集中が急に解消されることはないと思う。都市化は資本主義の産物だからだ。
 2017年の『「若者の移住」調査』(一般社団法人 移住・交流推進機)でも、首都圏の「移住に興味がある人」でも、7割は「生活費が低下するのだとしても、給料が下がるなら移住しない」という結果が出ている。移住移住言っても、結局は仕事軸で考えると、無理ゲーじゃんとなってしまう訳だ。
 とはいっても、この「密」、どうにかして!狭いマンションの窓からは人工物しか見えないし。さらに週1~2回のリモートワークが定着するのであれば、住環境も見直したい。
その結果、一定の割合は、通勤できる範囲で「開疎」で自然がある場所を求めている。もちろん、通勤電車も「密」にならない方がいいよねっと。

それなら小田原移住をおススメします!
 ウィズコロナ時代、週1~2回リモートワークをするような仕事をしている人にとって、小田原はかなり住みやすい場所になると思う。ニッチかもしれないが、ターゲットを明確にすると、ジャストミートする人には響きやすい。私自身、サラリーマンではないが、東京のクライアントからの仕事の受託で生活をしているので、この地に住んで、私自身が強く感じていることでもある。

 

ウィズコロナ時代の小田原移住メリット【仕事軸編】
●仕事を変える必要がない
●新幹線で密にならない通勤
●都会給料でアービトラージ的生活
●リモートワークに適した住環境もつくれる(土地が安いから)
●頭が疲れたら、山や海を見て瞬時リフレッシュ
●集中したいときは、電源オフで箱根の温泉へ

 

新幹線通勤の補助を再開するのはどうなの?

 過去の施策、新幹線通勤の補助。2年ほど前に前市長に評価を聞いたもののはっきりとした回答はなかったが、私は有効だと思う。役所にありがちな単なる手続きにしないで、それこそプレゼンとまではいかないものの、「この小田原でこんなことをしてみたいから移住したい」とか、そういった申請ができたらいいのにと思う。指定管理者の選定もプレゼンでの評価なわけだしと思うが、個人に対してはやはり難しいのであろうか。
 話はそれるが、移住政策はそれぞれの自治体でもっと尖れないものか。例えば専業主婦または専業主夫世帯大募集(新幹線定期つき)!とか。女性活躍やらで専業主婦が肩身が狭いご時世(それこそ多様性が欠如)と聞く。若い世代の流入は大歓迎であるが、一方では保育施策が問題になってしまう場合もある。保育園に預けないという選択をする人たちのコミュニティづくりを応援するのもアリなのではないかと思ったり。もっと振り切って専業主夫に特化するとか?やりすぎかもしれないが、各市町村、もっと移住施策を尖らせてもいいような気がする。
 良くも悪くも、資本主義の最適な形態の都市一極集中に、新型コロナが待ったをかけ、少し状況が変わりつつある今、小田原に新たな風が入ればいいなと思う。社会増減率がプラスになれば、見える景色も変わる気がする。(文/平澤芳栄)

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